Monday, August 31, 2009

選挙を控えて ~ノルウェー

*ノルウェーでも国政選挙がもうすぐということもあって、選挙運動をいろいろと見る機会があったのだが、いちばんよいと思ったのは、選挙カーがなくて、常時それぞれの政党が、たとえばオスロならカール・ヨハーンスガーテ通りに常設ブースを置けることだった。

選挙カーはうるさいし、キャッチフレーズを連呼されても政策がわかるわけではないので、以前から大嫌いであった。高校のときは音楽の先生が、その腹式呼吸の最大限を利用して選挙カーに「日本の将来を本気で考えてるなら、学校の授業の邪魔するな!」と叫んでくれたので、けっこう3年間は静かに過ごせたし、実家を訪れる革新連盟の方々も静かに徒歩で来てくれていたので、とにかく私は騒音的な選挙カーが嫌いなまま今に至る。

ノルウェーは上記のように、決められた期日から決められた場所にブースを設置でき、そこにいつも党員がいる状況になっている。政策に関して質問があればそこで聞けるし、応援するつもりでそこにいることも可能。新聞は今年は進歩党が文化予算削減を訴え、それに新聞も組み込まれている状況からして、ちょっとやりすぎではというくらい進歩党の政策を新聞で分析していたが、それも悪いことでなない。が、それについて選挙民が直接、進歩党に質問できる状況が町のどこにでもあるからOKなんで、報道が一方的に有利なら、これはこれで問題なはず。

こんなときでもなければあまり機会には恵まれないのだが、首相が普通に道を歩いているところが見られたのはちょっと嬉しかった。かなり顔がこけていたので、いろいろご心労もおありだろうと察する。ノルウェーは今すぐにどうかしなくてはならない問題はないように見えるけれども、細かく言えばいくらでもある。アフガニスタンからの撤兵、失業問題対策、公共交通問題、犯罪者対応…

9月14日が選挙だ。普通なら90%を超える投票率。それに至るまでの各党の党首とのチャットを企画する新聞社も多数ある。政治を任せるのではなく、自分の意見を国会に持っていく人を選ぶ選挙だから、事前が本当に忙しい。それを見て学べることは、選挙権のない自分にもいくらでもあると思っている。

Friday, August 21, 2009

ノルウェー人生徒が少数派 ~ノルウェー

*新しい年度が始まろうとしてるノルウェーの小学校。オスロでは今年、一人も純粋なノルウェー人が入学しない小学校が現れた。

 オスロに暮らす外国人の多くは過去に労働移民としてやってきた家族や難民としてノルウェー市民権を得たりしたケースが多いが、最近では旧東欧から職を求めてやってくる家族もいる。そうこうしているうちに、地区によっては小学校に通う子供の97%が民族的に非ノルウェー人となり、ノルウェー人がマイノリティとなっている学校は、オスロ全125校のうち52校にまで増加。さらにノルウェー人率の低い学校からノルウェー人生徒が転校していくという現象が起きている。

 転校していく子供の両親は、決して人種差別をしているわけではない。ただ自分の子供たちに宗教や生活倫理、価値観などが共有できる友人やクラスメートが少ないのはマイナスだという考えだ。

 おもしろいのは、民族的に非ノルウェー人である両親たちも、ノルウェー人生徒がマイノリティになるのは望むところではないとしていること。子供たちはノルウェー語で暮らし、将来もノルウェー語を基礎に仕事をしていく。ノルウェーに暮らす限りはノルウェーの文化も道徳も身につけなくてはならない。ノルウェー:非ノルウェーであれば多数派になる彼らも、その中でそれぞれの民族に分ければマイノリティになるため、学習現場では言語的にも文化的にも、ノルウェー的に不十分、そしてたとえばインド的にも不十分、ということになりがちだからだ。

 「せめてノルウェー人生徒の割合は50%」という声がどちらの側からも上がっているそうだが、とても対応できる状況ではないため、オスロ市では学校を地区制限なく選択できるようにしている。

Sunday, August 16, 2009

最近気に入っているもの

*どこの国のスーパーに行っても、あまり代わり映えなく同じようなミントやキャンディーだなと思う今日この頃なのだけれども、そんな中でその国のその店でなければ買えない、というものが見つかると、本当にうれしくなる。

筆頭はデンマークのIrmaというスーパーのIrmaマークのラクリス・パスティッラー。日本では好まない人も少なくはないラクリス(甘草)とミントを組み合わせたノンシュガーの平たい小粒。ノンシュガーにありがちなちょっと頼りない感じはあるが、ラクリスといえばグミみたいなものが多いので、それとは異なるしっかりした感じがいい。容器も小さな金属の缶で、ポケットにすんなり入る手ごろな大きさ。これにIrmaのシンボルである少女があしらわれていて、いかにもIrmaでしか買えません、という風情にそそられる。

それからノルウェーではDeliというコンビニのような店においてあるLuca's After Coffee Mintのシナモン味。これはたぶん北欧以外の国なら簡単に見つかるようなものなのかも。が、とにかくこれしか「シナモン味」というものがないので、私はノルウェーでは必ず買っている。上記のIrmaラクリスよりさらに小粒でさらにはかない味だが、シナモンの香りは気分よく味わえる。
容器は暗赤色でペリカンのイラスト。この色もとても好きだ。握ったら手の中に隠れてしまうような細長く小さなサイズもいい。

シナモンといえば、北欧ではなくてイタリア・トリノで買った砂糖粒のようなLeoneというメーカーのものがとても気に入っていた。箱のデザインもクラシックでかわいらしい。こちらはノンシュガーではないので、かなり味がしっかりしているが、シンプルなのであきない。舌が軽くしびれるくらいにはシナモン、という感じがある。こちらは最近、自宅近くで扱う店が出てきたので問題なし。

菓子類の工夫や新製品では日本にかなうところはないだろうなと思うけれども、パッケージ重視で行けば、北欧にもヨーロッパにも、いろいろいいものはある。中身を食べなくちゃいけないのがちょっと難点なものもあるが。