Monday, December 21, 2009

IT用語もノルウェー語で ~ノルウェー

*ノルウェー言語審議会がIT用語のノルウェー語案を作成中。とめどもなく氾濫してしまった英語、というより、コンピューターやITが日常生活に入ってくるスピードが速すぎて、ノルウェー語での表現を考えるのが間に合わなかった、という感じもしないでもないが、確かに数年前まではE-postと呼ばれていた電子メールが、最近ではMailと呼ばれたり、ショートメッセージもTekstmeldingだったのがSMSが普通になったりと、英語化が進んでいることも事実だ。携帯電話やインターネットが一般化し始めた頃から使っている人たち(つまりだいたいは30代後半~40代)はいまだにノルウェー語寄りの表現に頼ることが多いが、その頃子供だったノルウェー人以降はだいたい英語をそのまま単語だけ使う傾向にある。

 が、ノルウェー語にしないといけない、という動きは、単純に外国文化・外来語フォビアというわけではなく、文法上面倒なことが多いからでもある。たとえば電子メールでE-postなら、複数形にするにしても限定形にするにしても(北欧語の特徴として、語尾に-en/-etをつけて限定形にする)Postという言葉がノルウェー語として定着しているので決まった形があるが、Mailはそうではないので、人によって変化のさせ方が違ったりする。ドイツ語では外来語は中性名詞、というのが原則だが、ノルウェー語では特にそういうわけでもないので、Mailは共性名詞でEn Mailということになるが、だったら複数形はerがついてMailerとなるか、といなると、言いにくいせいなのか、言う人と言わない人がいたりする。どうもしっくりこないと、たぶん複数形は単数形と同じ、ということになっていくだろうと思うが(過去の例:Walkmanの複数形はなかった。ウォークマン2個、という場合には et par Walkmanとか2 stykke Walkmanになる。まじめに変化させると、manなのだから、複数形はmenになるわけだが、WalkmenがWalkmanの複数形だと認識するのはちょっと厳しい)。

 名詞はまだまあ最初に?と思ってもなんとなくわかったりするものだが、動詞+名詞というのもある。ある名詞にはこの動詞を組み合わせるというコロケーションは動かしにくいもので、たとえばサポートを受ける、という場合、「ヘルプ」にあたりHjelpを使うなら動詞はfaa、しかしサポートをそのままsupportと言う場合(最近多い)、faa, ta, ha、どれでもおかしくないが、微妙に意味が違って聞こえるのに、実は別に差はない、というようなことが起こる。

 言語審議会では3人のスタッフを中心に、各業界から代表者を集め、約50人で現在IT・コンピューター分野におけるノルウェー語の検討を進めているが、第一段階のはじめとして例に挙げているのは以下のとおり:

Direkteavspilling  ストリーミング

Nettpratチャット

E-post メール

Punkt/punktum  ドット

Omvendt skråstrek バックスラッシュ

Nettlogg, nettdagbok ブログ

Kyber  サイバースペース

Nettforfølgelse, nettsjikane, netterror サイバーテロ

Nettside ウェブサイト

Nettskredder, nettsidearkitekt ウェブデザイナー