Friday, August 21, 2009

ノルウェー人生徒が少数派 ~ノルウェー

*新しい年度が始まろうとしてるノルウェーの小学校。オスロでは今年、一人も純粋なノルウェー人が入学しない小学校が現れた。

 オスロに暮らす外国人の多くは過去に労働移民としてやってきた家族や難民としてノルウェー市民権を得たりしたケースが多いが、最近では旧東欧から職を求めてやってくる家族もいる。そうこうしているうちに、地区によっては小学校に通う子供の97%が民族的に非ノルウェー人となり、ノルウェー人がマイノリティとなっている学校は、オスロ全125校のうち52校にまで増加。さらにノルウェー人率の低い学校からノルウェー人生徒が転校していくという現象が起きている。

 転校していく子供の両親は、決して人種差別をしているわけではない。ただ自分の子供たちに宗教や生活倫理、価値観などが共有できる友人やクラスメートが少ないのはマイナスだという考えだ。

 おもしろいのは、民族的に非ノルウェー人である両親たちも、ノルウェー人生徒がマイノリティになるのは望むところではないとしていること。子供たちはノルウェー語で暮らし、将来もノルウェー語を基礎に仕事をしていく。ノルウェーに暮らす限りはノルウェーの文化も道徳も身につけなくてはならない。ノルウェー:非ノルウェーであれば多数派になる彼らも、その中でそれぞれの民族に分ければマイノリティになるため、学習現場では言語的にも文化的にも、ノルウェー的に不十分、そしてたとえばインド的にも不十分、ということになりがちだからだ。

 「せめてノルウェー人生徒の割合は50%」という声がどちらの側からも上がっているそうだが、とても対応できる状況ではないため、オスロ市では学校を地区制限なく選択できるようにしている。