Wednesday, July 8, 2009

子供に死を教える本 ~デンマーク

*デンマークで、児童心理医2人が「マーティンのおじいさんが死んだとき」という児童書を出版した。マーティンという子供が、祖父が倒れ、入院し、ケア施設で過ごしつつ亡くなり、葬式に参列する流れを順に追っていく本だ。(Hans Reitzel Forlag; "Da Martins bestefar doede")

現代のデンマークでは子供たちに死や病気について語ることは不健康とみなされている。50年前までは、子供が葬式に行くのは普通のことだったそうだが、この20年ほど、そうさせない家庭が増えた。

作者である児童心理医たちは、その傾向をよくないことと考える。5,6歳の子供でも、生死について考えることもあれば、死による急激な家庭の変化を迎えることもある。幸いそれが成長してからのことであっても、子供のうちにきちんと考えて準備をしておかないと、喪失したものに対して対応ができなくなると強調している。

この本は学校や家庭での教育にも使えるよう、指導書付きだ。二人の作者はこの本の前にも、「お母さんが心を病んだ」「パパとママがけんかしたら」など、子供が身辺で起こる大きな変化に心の準備を促す絵本を出版している。