Sunday, July 12, 2009

教育現場に大きな変化 ~ ノルウェー

*ノルウェーの小中学校では、4人に1人が必要な補助を受けられていないという調査が教育改善委員会から発表された。これには学習の遅れから特殊教育に至るまでのすべてが含まれている。

 ノルウェーは1992年に統合教育実践を採択し、視覚障害・聴覚障害・言語障害以外の養護学校を閉鎖した。そのため、どの学校にも障害のある児童がいると言ってもよいが、身体障害の場合には建物自体に不備のあるところが大半で、知的障害児の授業・指導も十分とは言えないとされた。また採択時にはそれほど意識されていなかった発達障害児童については、最近になって民間の特別支援学校が設立されてはいるが、そこでも専門の教育を受けてきた教師やスタッフが不足しているほどなので、全国規模で見れば、各校に十分なエキスパートを配置できないのも当然と言える。

 それだけでなく、難民として受け入れられ、生活している児童の言語、ノルウェー文化への理解も十分とは言えないとされ、加えて学習進度に遅れが見られる場合の補習も完全とは言いがたいと調査では結論された。

 そのため、個々の児童に不足しているものは何か、何を補うべきかを、学校ごとにきちんと対応していくよう教育法が改正される。担任教師、養護教諭、および自治体の他の福祉サービス機関とも連携するカウンセラーが話し合いして企画していくが、医学的な見地からの意見を必ず取り入れるようにというのが、改正委員会の提案に盛り込まれている。

 この改正案以前には、小さな村の複数の小学校が統合されて、地元の学校に通えない生徒が増えているという不満もよく採り上げられた。しかし教師の数も一気に増やすわけにもいかないし、専門知識を速成するわけにもいかない。細やかな指導をしていくためには、ある程度の集中化もしかたないのかもしれない。