Tuesday, June 11, 2013

ノルウェーサーモンは危険?

 国民により健康な食生活をと推進しているノルウェーでは、週に3回は海産物をメインにした食事を勧告している。
 しかしここに来て、「養殖サーモンは避けるべき」という研究者たちが現れた。
http://www.vg.no/helse/artikkel.php?artid=10117390

  ノルウェーは世界中のアトランティックサーモンの60%を産出しており、サーモンは国の重要な輸出品。国内では天然物も手に入るし、釣りの許可証を得て自分で釣ることももちろん可能(とても高額だが)。しかし一般的にはやはり養殖サーモンが食卓にのぼることが多く、ほとんどの外食・手軽なサンドイッチには養殖ものが使われている。

 養殖サーモンには残留性有機汚染物質(POPs)が脂肪部分に蓄積しているため、妊婦、児童はできるだけ摂取を控えるべきというのが今回の発表。POPsが脳の発達に影響し、ADHDや自閉症の原因となっている可能性もあるということで、ベルゲン大学のアンネ・リーセ・ビョルケ・モンスン医師は、妊婦は特に控えるべきと訴えている。

 個人的には天然のノルウェーサーモンは好きだが、養殖物は脂肪分が多すぎて、おいしいと思っていない。80年代くらいにはそうでもなかったのだが、この10年くらいはちょっと異常なくらい脂っぽいなあと感じてきた。ノルウェー人でもそう思っている人は少なくないが、最近はスシ・ブームもあり、ヘルシーだと思って食べる人たちも増えている。

 脂っぽさに関係があるわけではないから、他国の養殖サーモンもノルウェーサーモン同様に避けるべき。ビョルケ・モンスン医師は女性の場合、出産して授乳期が終わるまでは食べるのを極力控えるべきと勧告している。


 

Saturday, June 8, 2013

デンマークの「貧困限界線」

*昨年5月から招集された特別委員会で、デンマークでは新たな貧困限界線を設定。
独身の場合、年収10万3200クローネ(約200万円)以下、そして4人家族の場合は23万7000クローネ(約460万円)以下となったが、3年に渡って国民平均所得の2分の1だった場合も貧困状態とみなされることになった。

 これに該当するデンマーク人は4万2200人。ここからさらに児童だけを見ると、1万700人が貧困家庭で育てられていることになる。

 http://jyllands-posten.dk/indland/ECE5583262/eksperters-bud-42200-er-fattige/

委員の1人Jann Sjursenは「社会的疎外者委員会(Råde for Udsatte)によると、この11年間でこの貧困層が3倍に増えている。これは政治的に対策を取らねばならない大きな社会問題」とコメント。

 各政党の反応はまちまちだが、基本的には「本当の貧困という意味ではない」と考えているようだ。相対的に貧困層にはなるが、住む場所も服もなく、食べるものもないというような、伝統的な「貧困」に苦しむ家庭はデンマークにはない、というのがほとんどに共通した意見。

 社会大臣は経済的に救済することだけで解決になるとは考えておらず、なぜ、どういうタイプの人が貧困層にとどまってしまうのかを調査し、それを阻むための政策とは何かを検討していくとしている。
http://jyllands-posten.dk/indland/ECE5585351/joachim-b-olsen-fattigdomsgraense-er-til-grin/