Monday, December 15, 2014

トップに女性がいない理由 〜ノルウェー

*男女平等では国際的に高い評価を受けているノルウェーだが、国営企業のトップに君臨する女性はゼロ。トップレベルに広げてみても、ノルウェー銀行はゼロ、スタッツオイル社で9人に1人、他の国営企業でも11人に2人、7人に1人と、現在目標とされている40%にはとても届いていない状態だ。

しかしこれは男女差別がいまだにあるからというわけでもない。現状だけを見ると、子供が複数になるとキャリア上昇をやめる女性が増えてくるのだが、それはなぜかということをダーゲンス・ナーリングスリーヴ紙が解説しているhttp://www.dn.no/meninger/kommentarer/2014/12/14/2059/Endelig-mandag/verdivalgets-kval

子育ては女性の仕事という観念があるわけではないのだが、女性が自ら育児や家庭に時間を使いたいと思う傾向があるという。そしてそれは女性の経済的自立が、自らの収入で夫に介入されずに好きなことをする自由が欲しいというところから始まっているためではないかとされている。

つまりある程度の収入があれば、そこで好きなことを選択したいと考える女性が男性よりも多いのではないかということだ。そしてその背景として、仕事に行き詰まったとき、女性が仕事を辞めるのは社会的に許容されるが、男性の場合は難しいこと。また経営陣としてトップレベルでいるためには、そのことだけに邁進するようなタイプが好まれていること(なので仕事も趣味も家庭も、というようなタイプは好まれない)も挙げられている。
男性は女性ほど、得た収入で好きなことをしたいという気持ちが少ないらしい。これはまた男性が抱える定年後の社会生活への問題にもつながる。

高学歴女性が増加し、企業の中間管理職には増えつつあるとはいえ、トップを目指さない女性たちがいることはずっと不思議に思われていた。しかし自由を得るために経済的自立を目指すのであれば、自立できた段階でどんな生活をしたいのかを選ぶこともできる。これまでの分析とは違う視点。興味深い。