Saturday, October 17, 2009

ブロードバンド利用の権利を法制化 ~フィンランド

*ブロードバンド利用の権利がフィンランドで法制化された。高速インターネットの利用が水道や電力と同様の、生活に欠かせない権利として認められたことになる。

 すでに5年くらい前から、銀行の窓口で送金するのとオンライン・バンキングを介するのでは手数料に大きな開きができ、タンペレ市などではPCを持たない人のためにインターネットに接続したPCを載せたバスが巡回していた。実際の生活で料金的な格差ができている以上、誰もがもっとも安い手段を利用できるようにするのは当然のこと。

 そして早くからブロードバンド敷設を人口には見合わない地域で導入もしているが、そうした地域では産業振興プロジェクトも起こし、EU各国と翻訳業務ネットワークを構築したりして若い夫婦などの人口流入を促進し、同時に遠隔医療サービスも行えるようにして、社会福祉サービスの面も補強してきた。そうした地域は人口的には「過疎」でも、若い世代が少なくないために子供もけっこういて、衰退していくような様子には見えない。効率的に計算すればブロードバンド利用可能なインフラの敷設は無駄にも見えたが、それなりの効果はあげている。

 フィンランドは大きな山や谷はないが、湖が各所にあり、人がまったくいないであろうと思われるような場所も少なくない。現在すでに人口の95%へのブロードバンド普及率だが、あとの5%はなかなかたいへんだろう。湾に散在する群島などもたいへんだろうと思う。

 普及していることは実感できるし、ホテルでもインターネット接続が無料のところが多いのは助かるが、それにしてもときどき、恐ろしく遅くなることもある。よその国の話ではあるが、できればこのあたりも改善を…と望む次第。