Friday, April 9, 2010

4月9日は

デンマークとノルウェーがナチスドイツに占領された日。

が、デンマークでは15歳から25歳の17%しか、49日に何があったのかを知らないという調査結果が。
「国民としての共通の記憶をとどめさせない教育とはどんなものか」という批判が噴出し、教育大臣も「これではその当時に生きた人の経験が無価値になってしまう」と疑問を呈している。

同じ日に苦い体験をしたノルウェーではこんな調査もなければ、特に占領された日だというのを訴えている記事もない。占領から50年の今年に向けて、2年ほど前から記録映画のDVD化や写真集作成も進められてきたので、「記念日」そのものを云々するつもりはないらしい。

どちらの国にしても「二度とあってはならないこと」なのだが、今では占領を歓迎したり誘導したりした自国民がいたこともわかっているし、ドイツ兵と結婚した女性やその子供たちの戦後の扱いについても度々論議が起こってきた。さまざまな側面があるだけに、簡単に授業で流したり、記念日ですと言って終われる話ではない。しかしデンマークもノルウェーも、ヨーロッパ的には「ふがいないほどあっさりと占領されてしまった」とも言われているわけで、国としては占領された恨みを忘れるなという話ではまったくなく、民主主義と人道主義を犯す兆しがあればちゃんと反対できる人間に育ってほしいから覚えておいてもらいたい、というところ。

今日が何の日かは知らない83%のデンマークの青少年も、そこはちゃんとわかっていると思う。