Sunday, May 30, 2010

ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2010



 ユーロヴィジョン・ソング・コンテストの今年の優勝はドイツ。絶対ないと思っていたのだが、優勝してしまった。1982年以来優勝のないドイツは19歳と若い歌手を立ててきたが、優勝の瞬間も、誰も彼女と抱き合ったりしなかったのがちょっと気になった。プロジェクトの勝利ということなのか。

それにしても55回めの今回、とにかく英語の歌ばかり。かつてはだいたいが母国語の歌だったが、今年英語ではなかったのはポルトガル、ギリシャ、フランスくらい。別に民俗音楽祭ではないのでいいと言えばいいのだが、英語のリズム特性から似たような歌ばかりになるし、ノルウェーのように民族音楽ベースの曲でも英語の歌詞にすると、単純というか幼いフレーズになり、単調さを免れ得ない。というわけでつまらない曲ばかりが続いた。

そこでちょっと新鮮だったのがトルコ。Mangaという日本アニメ文化からのインスピレーションを得ているバンドで、背後には鋼鉄製ロボット、そこから金髪の美女が出てくるという演出をしていた。トルコといえば毎年、バルカン演歌の総元締めのような雰囲気の歌手が出てくるのだが、今年は思い切ったなあと感心した。優勝こそしなかったが、かなり票を集めていたのもうなづける。

もうひとつ驚いたのがスペイン―だが、これは舞台に突然、赤い帽子の男が客席から飛び乗ったため。そのこと自体はまあ、歌手にはお気の毒というだけのことなのだが、この男がジミー・ジャンプと名乗るバルセロナの人間で、大きなイベントで突然に目立つことをするというのをライフスタイルにしているというのが驚きだった。サッカーのユーロ2004でもやっている。いろいろなことを生きがいにしている人がいるものだ。