Tuesday, January 27, 2015

人気の名前 2014年度 ~ ノルウェー

*2014年に生まれた子供たちの名前でもっとも人気の高かったのが、女子はノーラ(Nora)、男子はルーカス(Lukas/Lucas)。

Topp ti, jentenavn og guttenavn 2014
NummerNavnAntallPer 1000
Jentenavn   
1Nora/Norah43414
2Emma41814
3Sara/Sarah40413
4Sofie/Sophie38813
5Emilie35812
6Anna32711
7Linnea/Linea32611
8Thea/Tea32310
9Maja/Maia/Maya32310
10Sofia/Sophia31510
    
Guttenavn   
1Lucas/Lukas44814
2William43814
3Markus/Marcus42313
4Emil41913
5Oskar/Oscar38912
6Mathias/Matias38212
7Magnus37712
8Filip/Fillip/Philip37212
9Jakob/Jacob37111
10Aksel/Axel36311

一覧を見てみると順位はともかく、バリエーションとしてはそれほど変化はないように思える。このあたりはけっこう保守的とも言えるが、男子は国際的に読みやすい名前が増え、昔ながらのTarjeとかArneのような名前は出て来ていない。そういえば時折、名前を登録するような場でやや高齢の人たちが受け付けたりしていると、「これってノルウェーの名前?」と不満げな感じになることもあったりする。いわゆるノルウェーっぽい名前が出てくると「ようやくまともなノルウェーの名前が出て来た」と喜んだりするあたり、どこの国も程度の差はあれ、新しい傾向には馴染みにくいところがあるのかも。

女子の方はもとからそう読みにくい名前が多いわけではないが、シンプルで北欧ならではのLinneaや、どこの国でも絶対にあるAnnaなどが毎年同様入って来ている。ただスペリングにはちょっと凝る傾向は出て来ているようで、SofieにSophieをあてたり、マイヤに3種類の書き方があったりする。

かつては「この名前ってことはだいたいこのくらいの年齢だな」と想像がついたものだが、最近ではトップの名前に人気が偏るということもなくなってきた。それはそれでちょっと寂しいものだ。

Tuesday, December 23, 2014

自閉症児の不登校問題 〜デンマーク

*デンマークの自閉症協会が、自閉症の子供の不登校問題に懸念を表明している。http://jyllands-posten.dk/indland/ECE7312552/For%C3%A6ldre-holder-skoleb%C3%B8rn-hjemme/

自閉症スペクトラムの子供たちに特別教育を望む声は以前から強かったのだが、現在は統合教育の一環として、一般の学級に通っている。子供たちが行きたがらないのもともかく、両親も学校に行かせることが良いことではないと感じて、不登校を容認。協会の調査では、160家族のうち30家族の子供が数週間から数ヶ月、不登校になっているとのこと。そのうち9人は1年以上学校に行っていない。

この春、自閉症児とその親についての番組に携わったが、私の担当した家族では幸いそういう問題はなかった。同じように統合教育を進めているノルウェーだったので、やはり普通の学校に通い、特別クラスで自分のペースで身の回りのことや読み書きなどを学んでいた。しかし地域によってはそれだけの指導をできる教師の数が不足。どこでも満足なレベルで学校に通わせられるわけではないという。

上記の記事を見ると、特別学級では落ち着いていた子も、普通級ではいろいろと苦労があって不登校になっているケースが多い。通学そのものが子供を傷つけるという両親の意見は、これからどう反映されていくのだろう。

Tuesday, December 16, 2014

DN紙のアドベントカレンダー 〜スウェーデン

*スウェーデンのダーゲンス・ニーヘーテル紙で公開されているアドベントカレンダーがこのところ毎朝の楽しみ。

日付のところをクリックすると、クリスマスにちなんだ詩や童話、小説の抜粋や紹介が表示される。12月1日のムーミンから始まり、歌や詩の朗読を耳でも楽しめるように続いている。

DN紙のアドベントカレンダーはこちら

Monday, December 15, 2014

トップに女性がいない理由 〜ノルウェー

*男女平等では国際的に高い評価を受けているノルウェーだが、国営企業のトップに君臨する女性はゼロ。トップレベルに広げてみても、ノルウェー銀行はゼロ、スタッツオイル社で9人に1人、他の国営企業でも11人に2人、7人に1人と、現在目標とされている40%にはとても届いていない状態だ。

しかしこれは男女差別がいまだにあるからというわけでもない。現状だけを見ると、子供が複数になるとキャリア上昇をやめる女性が増えてくるのだが、それはなぜかということをダーゲンス・ナーリングスリーヴ紙が解説しているhttp://www.dn.no/meninger/kommentarer/2014/12/14/2059/Endelig-mandag/verdivalgets-kval

子育ては女性の仕事という観念があるわけではないのだが、女性が自ら育児や家庭に時間を使いたいと思う傾向があるという。そしてそれは女性の経済的自立が、自らの収入で夫に介入されずに好きなことをする自由が欲しいというところから始まっているためではないかとされている。

つまりある程度の収入があれば、そこで好きなことを選択したいと考える女性が男性よりも多いのではないかということだ。そしてその背景として、仕事に行き詰まったとき、女性が仕事を辞めるのは社会的に許容されるが、男性の場合は難しいこと。また経営陣としてトップレベルでいるためには、そのことだけに邁進するようなタイプが好まれていること(なので仕事も趣味も家庭も、というようなタイプは好まれない)も挙げられている。
男性は女性ほど、得た収入で好きなことをしたいという気持ちが少ないらしい。これはまた男性が抱える定年後の社会生活への問題にもつながる。

高学歴女性が増加し、企業の中間管理職には増えつつあるとはいえ、トップを目指さない女性たちがいることはずっと不思議に思われていた。しかし自由を得るために経済的自立を目指すのであれば、自立できた段階でどんな生活をしたいのかを選ぶこともできる。これまでの分析とは違う視点。興味深い。

Monday, October 20, 2014

育児現金給付受給者の80%が移民

*北欧では託児所に子供を預けず、自分で面倒を見ている場合には現金での給付がある。これは女性が働く意欲を削ぐものとして長いこと批判の対象になっているが、託児所さえ確保できれば働き始める女性が多く、この給付された現金も、託児所ではなくベビーシッターへの支払いに回して、パートタイム就労をする母親たちがほとんどだ。

が、やはり固定的に給付を受ける数は、減少するどころか増加する傾向にある。デンマークもそうで、今日のユラン・ポステン紙では「受給者の80%が移民」という記事が掲載されている。
http://jyllands-posten.dk/indland/ECE7124090/80-pct.-af-alle-%E6gtepar-p%E5-kontanthj%E6lp-er-indvandrere/

受給者が増加して就労人口が減少、ひいては税収も減少、という傾向を恐れ、とにかく教育を受けさせることが解決方法、と提示されてはいるが、本当にそうかなという気もしないではない。

というのは移民、あるいは移民家族としてやってきたという背景のある人たちの場合、食事からして北欧の一般とは相当違う。一品作ればそれでよし、という国から来た人たちばかりではないし、宗教的な制限もあって、菜食だ、ハラルだ、と買い物ひとつ、作り方ひとつでも手間のかかるケースも多い。ある移民家庭では、米粉のパンケーキみたいなものを焼くのに豆を発酵させたりしていたが、発酵具合を見ながらの作業だったりするので、こんなことをしていたら、まあ外に働きに行くのは難しいだろうなあと思う。

教育を受けたら、それが何か変わる方向に行くのだろうか。こんな面倒な料理をするために生まれてきたわけではない!と思うに至ったとしても、結局誰かが作らないとやっていけない家庭がほとんどじゃないかと思うが。